「もう少し前向きに考えたい」。そう思って明るい言葉を探したのに、かえって疲れてしまう日もあります。頭の中では「きっとうまくいく」と言っていても、心の中からは「本当に?」という返事が聞こえてくる。
そんなとき、目指す場所を少し手前に置いてみるのはどうでしょう。
今回取り上げるのは、エイブラハム・ヒックスの教えにある、今よりも気分のよい考えを探すという発想です。この記事では、それを「少しだけ気分が楽になる考え方」として、身近な場面から読み解いていきます。
エイブラハムが伝える「次の考え」に目を向ける

エイブラハム・ヒックスは、エスター・ヒックスを通じて伝えられるスピリチュアルな教えです。公式サイトでは、エイブラハムを非物質的な意識の集まりとして紹介しています。これは同サイトが説明する世界観です。公式の紹介ページで、その位置づけを確認できます。
エスターは2026年2月9日の公式記事で、次の、より気分のよい考えや感情を目指すことに触れています。また、2020年10月27日の公式記事では、まず現在の感情を認め、そこから感情の段階を一つ上がる方向を探す説明がなされています。
ここで大切にしたいのは、出発点が「今の自分」だということです。落ち込んでいるなら、その場所から考える。まだ納得できない明るい結論へ急ぐ必要はありません。
なお、「波動」や「引き寄せ」はこの教えのスピリチュアルな概念です。その主張を科学的に確立された事実として扱うものではありません。本記事はその思想を紹介しながら、自分にかける言葉を選ぶヒントとして考えていきます。気分の変化と、仕事や人間関係で望む結果が得られることは、分けて受け止めてください。
重い買い物袋を、いったん持ち替えるように

ここからのたとえ話と言い換えは、教えを日常に置き換えるために用意した本記事独自の例です。エイブラハムの発言や、公式の練習手順を引用したものではありません。
たとえば、帰り道に重い買い物袋を持っている場面を想像してみてください。家までまだ距離があるとき、「この袋は軽い」と言い聞かせるのは、少し無理があります。
それよりも、左右の手で持ち替える。一度ベンチに置く。袋の中で偏った荷物を直す。中身が同じでも、持ち方を選び直す余地はあります。
考え方にも、そんな持ち替えがあってよいのではないでしょうか。「何もかもうまくいかない」を「今日は予定どおりに進まなかったことが二つある」にしてみる。解決はまだでも、扱う範囲が少しはっきりします。
自分が本当にそう思える言葉かどうか。そこを確かめながら探すと、言い換えがもう一つの宿題になりにくくなります。
日常の三つの場面で試してみる

仕事が積み上がって、何から始めるか迷うとき

締め切りのある仕事が重なると、「全部終わらせなければ」と頭の中で繰り返してしまうことがあります。机の上に書類が何層にも重なっているような感じです。
そんな場面で「私は何でもできる」と言ってもしっくりこなければ、「まず締め切り順に並べることはできそう」としてみます。さらに「今日中に必要なものを一つ確認しよう」くらいまで、小さくしてもよいでしょう。
仕事の量そのものは変わりません。ただ、次に扱う一枚を選べます。もし一人で抱えられる量を超えているなら、相談や期限の調整も選択肢です。気分を整える工夫と、現実の段取りは一緒に進めてかまいません。
メッセージの返事がなくて、気になるとき

送ったメッセージに返事がないと、「変なことを書いたかな」「嫌われたのかもしれない」と、いくつも続きを想像してしまうことがあります。
ここでは「絶対に好かれている」と反対側へ振り切る代わりに、「今わかっているのは、まだ返事が来ていないことだけ」と置いてみます。「相手の事情は、今の私にはわからない」でもよさそうです。
頭の中の物語を、まだ書き直せる下書きとして扱うイメージです。結末を決めずに余白を残す。そのほうが少し楽なら、今はその一文を選べます。
急ぎの用件なら、必要な時刻を添えて確認する。急ぎでなければ、ほかの用事に戻る。相手の気持ちを断定せず、自分ができることを選んでみましょう。
ほかの人と比べて、取り残された気がするとき

誰かの報告を見て、「自分だけ進んでいない」と感じる日もあるでしょう。そこからすぐに「私は十分すばらしい」と思えなくても、無理に結論を出さなくて大丈夫です。
「あの人について見えているのは、生活の一部分かもしれない」「自分が今取り組んでいることも、一つはある」。このくらいの言葉なら受け取れるか、確かめてみます。
自分の一日を振り返り、連絡を一本返した、必要な予約をした、途中だった作業を再開した、と具体的に書く方法もあります。大きな成果に見せる必要はありません。比較の画面を少し閉じて、自分の手元にあるものを見直すための例です。
言葉を探すときの小さな手順

日常で試しやすいように、ここまでの考え方を三つにまとめました。以下も本記事の提案です。順番どおりにできなくても、気になるところだけ使えます。
- 今の気持ちを短く書く。「焦っている」「がっかりしている」など、一言で十分です。理由を全部説明しようとしなくてもかまいません。
- 繰り返している言葉を一つ見つける。「いつも失敗する」「全部だめだ」など、頭の中の文章をそのまま一つ取り出します。
- 少しだけ受け取りやすい文章を考える。「今回うまくいかなかった部分がある」「まだ試していない方法があるかもしれない」など、自分にとって無理のない表現を探します。
言い換えたあとに、元の文章と読み比べてみてください。少し余裕を感じるでしょうか。それとも、「そう思わなければ」という圧力が増えるでしょうか。後者なら、その言葉は今日の自分には遠いのかもしれません。
同じ言葉でも、しっくりくる日は変わります。昨日役立った一文を今日も好きになれなくても、答え合わせで間違えたわけではありません。
感情の段階を、自分への採点にしない

公式サイトには、感情を段階で示すEmotional Guidance Scaleが掲載されています。この教えでは、感情を、望みや源のエネルギーとの関係を示すものとして説明しています。
その表を参考にするときも、「今の自分は低い位置だからだめだ」と評価する材料にしなくてよいと、この記事では考えます。自分がどんな状態にいるかを言葉にするための、一つの見取り図として眺めるくらいでよいでしょう。
楽になろうとしているのに、「まだ楽になれない自分」を責めてしまう。そんな使い方になったら、いったん考える作業を休んでもかまいません。言葉が見つからない日まで、無理に成果を出す必要はありません。
また、気分のよい解釈を探すことを、不適切な扱いや困った状況を我慢する理由にしないでください。距離を置く、断る、助けを求める、具体的な対応をする。そうした選択も大切です。起きたことの責任を、すべて自分の思考に結びつける必要はありません。
今日、受け取れる一文があれば

「少しだけ気分が楽になる考え方」を試すなら、今日気になっていることを一つだけ選んでみてください。そして、いつも自分に言っている言葉を、ほんの少し書き直してみます。
「今すぐ全部決めなくても、一つ確認してから考えられる」「うまくいかなかった部分を、もう少し詳しく見てみよう」。こうした言葉でも、まだ遠ければ、「今は答えが出ていない」だけでもよいでしょう。
すべてが好転したかどうかを、すぐに判定しなくてもかまいません。まずは、その一文を口にしたときの自分の受け取り方を確かめる。重い袋をそっと持ち替えるような、小さな試し方から始めてみてください。
参考にした公式資料
教えの紹介部分は、以下のAbraham-Hicks公式サイトを参照しました。日常のたとえ話、言い換え例、手順は本記事独自の解説です。
- About Abraham-Hicks:エイブラハムの位置づけと教えの概要
- 2026年2月11日の配信案内:次の、より気分のよい考えや感情への言及
- 2020年10月31日の配信案内:現在の感情を認め、そこから次の段階を探す説明
- Emotional Guidance Scale:感情の段階についての公式解説
参照日:2026年10月1日。アイキャッチと本文中の図解・挿絵はAI生成です。



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