楽しみにしていたパン作り。焼き上がったパンは少しいびつで写真で見た形とは違う。「初めてだからこんなものかな」と思う一方で「せっかく作るなら上手にできないと」と気持ちが固くなる。
やりたいことがあるのはうれしいものです。それでも望みに近づこうとするほど力が入りすぎることもありますね。
エイブラハムの教えには心の向きを川の上流と下流にたとえる説明があります。今回はその「流れに乗る」という考え方を入口にして望みを大切にすることと自分を追い立てることの違いを見ていきます。
この記事はスピリチュアルな教えの紹介です。思考が外の出来事を引き寄せるという主張を科学的に確立した法則として扱いません。日常の例や試し方は本記事独自の整理です。
「流れに乗る」はどんなたとえ?
公式サイトに公開された書籍『The Astonishing Power of Emotions』の抜粋では「今すぐ望む場所へ行かなければ」という焦りを川の流れに逆らってこぐ姿に重ねています。
そしてオールをこぐ力をいったん緩めたときに感じる安心を想像するよう促しています。ここでの川は教えの世界観を説明する比喩です。現実の川で安全に進むための方法ではありません。出典:Abraham-Hicks公式の書籍抜粋
日常へ引き寄せて読むなら「もっと力を入れる前に今の力みを確かめてみる」という入口がよさそうです。
パンの形を整えたいという望みはそのままでかまいません。そこに重なっている「一度でできなければ向いていない」という条件だけを緩めてみる。望みを捨てなくても取り組み方には余白をつくれます。

取り組む力と自分を追い立てる力を分けてみる
「力を緩める」と聞くと何もしなくてよいという話に思えるかもしれません。でも手を動かすことと心の中で自分を責め続けることは分けて考えられます。
たとえば料理の手順を覚えるには材料を量ったり焼き時間を確かめたりする作業が必要です。その作業までやめる必要はありません。
一方で「こんなこともできないのか」と何度も自分に言うことは材料の重さを正確にする作業とは別です。実際に必要な手間へ注意を戻すために余分な採点を少し休めてみます。
身近なたとえなら靴ひもの結び目に似ています。ほどけないときに両端を強く引っ張るとますます固くなることがあります。少し緩めて結び目を眺めると次に触る場所がわかる。これは本記事のたとえですが「力を抜くことも取り組み方の一つ」という感覚をつかむ助けになりそうです。
もちろん難しい作業には負荷もかかります。疲れたから間違った方向だと決めなくて大丈夫です。楽か苦しいかだけで仕事や学びの価値を採点するのではなく「必要な負荷に自分への厳しさまで足していないかな」と確かめてみましょう。
例1:不揃いのパンにも次のヒントがある
休日に初めてパンを焼いたとします。丸くしたつもりなのに大きさがばらばら。SNSで見たきれいなパンと比べるほど気持ちがしぼんでいきます。
この場面で無理に「最高の出来だ」と言い聞かせなくてもよいでしょう。気に入らないところがあるという感想もそのまま置いておけます。
少し緩める言葉を選ぶなら「形をそろえるのは次に練習できる」「今日は生地を最後まで焼けた」くらいから。どちらも目の前の事実から離れすぎない言葉です。
そのうえで次に試すことを一つだけ書きます。分けるときに重さを量る。作業の途中を写真に残す。気になった工程を調べる。いっぺんに全部改善しようとせず一つ選びます。
今日のパンを食べながら味わう時間も残しておきたいですね。上達するまで楽しんではいけないという決まりはありません。うまくなりたい気持ちと今の体験を楽しむ気持ちは同じ台所に置けます。

例2:休んだ翌日に最初からやり直さなくてもいい
外国語の勉強を毎日続けようと決めたのに忙しくて二日空いてしまった。手帳を見ると空欄が気になり「もう続かなかった」と教材を開くのもおっくうになる。
ここで大切にしたかった望みは何だったでしょう。空欄のない手帳を完成させることより旅行先で少し話せるようになることだったかもしれません。
望みへ戻ってみると今日の選択は小さくできます。「二日分を取り返す」ではなく「よく使いそうな一文を声に出す」。それが終わったら今日はそこで閉じてもよいでしょう。
これは少なくやれば必ず上達するという意味ではありません。必要な練習量は目的によって違います。ただ空いた日を責めることと今日の練習をすることは別にできます。
試験などの期限があるなら残りの時間を確認して計画を調整する必要があります。自分に優しい言葉を選びながら現実の予定にも目を向ける。その二つは両立できます。
諦めるのは望み?それとも重すぎる条件?
公式の講演教材『Let Loose!』の紹介には望みそのものを手放すことと格闘を手放すことを区別する説明があります。ここは「流れに乗る」を読むうえで大切な点です。出典:Abraham-Hicks公式の教材紹介
たとえば部屋を心地よくしたいという望みがあるとします。けれど条件が「週末に家全体を片づけて二度と散らからないようにする」になると始める前から重く感じそうです。
そこで望みは残したまま条件を小さくします。「今日は椅子に置いたものをしまって座れるようにしよう」。全部終わらなくても今夜使う場所には変化が生まれます。
誰かに手伝いを頼むことも選択肢です。一人でやりきるという条件を外したら進みやすくなる場合もあります。反対に今週は休むほうがよければ日を決め直してもかまいません。
自分の望みと実行の方法を一組に固めないこと。「こうしたい」は大切にしながら「この方法しかない」は見直せる。そんな柔らかさとして受け取ると使いやすくなります。
試すなら三つの欄をつくってみよう
考えが絡まっているときには次の三つを書いてみます。これは公式に定められた手順ではなく本記事独自のメモの形です。全部埋める必要はありません。

- 今の気持ち:何に力が入っている?
- 少し楽な考え:今の自分でも無理なく言える言葉は?
- できる一歩:現実に何を選べそう?
パン作りなら「写真のようにできず悔しい」「初めての工程は次も試せる」「分ける重さをメモする」。これだけでも十分です。
最初の欄には明るい言葉を並べなくて大丈夫。悔しい。疲れた。もう少しわかりやすく教えてほしい。今の感覚を短く書くことから始めます。
二つ目の言葉に違和感があればもっと控えめにします。「きっと大成功する」より「今日は結論を出さなくてもいい」のほうが言いやすい日もあります。
三つ目は休憩でも質問でも予定の変更でもかまいません。書いたあとに気分が変わらなくても失敗ではありません。今必要なことが少し見えたかどうかを目安にしてみてください。
あとで見返すなら結果だけでなく取り組んだときの様子も眺めます。「うまく焼けたか」に加えて「途中で一度座れたか」「わからないところを調べられたか」など。気づいたことは次の工夫に使えます。
同じ方法でも忙しい日と余裕のある日では使いやすさが違います。昨日うまくいった言葉が今日はしっくりこないこともありますね。そのときは言葉を変えてかまいません。一つの正解をずっと守るためのメモではないのです。
書くこと自体が負担ならノートを開かず「いま少し力が入っているな」と気づくだけでもよいでしょう。新しい習慣を増やして自分を忙しくするより今日の負担を増やさない形を選びます。
流れに乗るために我慢しなくていい
このたとえを自分や他人の採点表にしないことも大切です。「怒っているから上流だ」「困っているのは流れに逆らったせいだ」と人を分類するための言葉にはしないでおきましょう。
不安や怒りがあるときも必要な行動は選べます。危険な場所から離れること。理不尽な扱いを断ること。期限のある手続きを進めること。気分が整うまで待たずに対応してよい場面があります。
病気や事故や被害を本人の考え方のせいにする根拠にもなりません。この教えは受診や相談などの支えに代わるものではありません。
川のイメージがしっくりこないなら使わなくても大丈夫です。言葉に合わせて気持ちをつくるより自分の状況を丁寧に見るほうを大切にしてください。
まとめ:望みは残して握る力を少し緩める
エイブラハムの上流と下流のたとえは「どうすればもっと頑張れるか」から少し離れて心の力みに気づく入口として読めます。
上手になりたい。心地よく暮らしたい。続けてみたい。その望みまで小さくする必要はありません。まず緩めるのは一度で完璧にできることや一人で全部こなすことなど自分に重ねた条件です。
今日は何を大切にしたいでしょう。そしてそのためにできる一歩は何でしょう。気持ちと現実の両方を見ながら今の自分に合う進み方を探してみませんか。
参考にした公式資料
- Abraham-Hicks:The Astonishing Power of Emotions 書籍抜粋(上流と下流の比喩)
- Abraham-Hicks:Let Loose! 教材紹介(望みと格闘を分ける説明)
- Abraham-Hicks:The Astonishing Power of Emotions 書籍紹介(書籍の位置づけ)
アイキャッチと本文中の図解・挿絵はAI生成です。



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