レシピを見ながら焼いたクッキーが思ったより固くなった。ひと口食べて出てきたのは「私にはお菓子作りのセンスがないな」という言葉。
でも少し待ってみると分かっているのは今回の焼き上がりです。自分のセンスについてはずいぶん大きな結論を出している気もしますね。
バシャールの教えで大切にされる「信念と定義」はこうした日常のひとことから考えられます。いつも当然だと思っている意味づけに気づくこと。今回はその入口を身近な例で見ていきましょう。
バシャールの教えにある「信念と定義」
ここで紹介するのはダリル・アンカを通じて伝えられているバシャールのスピリチュアルな教えです。信念が外側の出来事を生み出すという世界観を科学的に実証された法則として扱うものではありません。
公式サイトの「The Follow Your Excitement Formula」では第5項で自分の信念を継続的に調べることを勧めています。恐れに基づくものや望む自分と合わないものを手放して置き換えるという内容です。
また「Bashar’s Basic Principles」では人生の経験に信念と感情と行動の相互作用が関わるという世界観が示されています。考えていることだけを切り離すのではなく日々の選び方まで含めて見つめる教えとして読めます。
公式セッション「The Story Tree」の公開紹介文も定義や信念と自分についての物語を結びつけています。本記事が参照したのはこの紹介文です。有料映像で説明される具体的な技法を再現するものではありません。
日常で考えるために本記事では「定義」を物事にどんな意味を与えているかという入口で捉えます。「信念」は自分が本当だと思っている前提です。厳密な用語辞典としてではなく自分の言葉を見つめるための整理として使ってみましょう。
信念の中には暮らしを支えてくれるものもあります。「分からないことは確認してよい」「練習すれば覚えられることもある」。そうした前提まで全部捨てる必要はありません。今の自分を窮屈にしている決めつけがないかを一つずつ眺めてみます。
出来事に付けた意味を一つ見つける
たとえば失敗を「向いていない証拠」と捉えていたら一度うまくいかなかっただけでも次を試しにくくなりそうです。「やり方を確かめる材料」と捉えたら調べたいことが出てくるかもしれません。
クッキーが固かったという出来事は同じです。そこから何を読み取るかによって次に浮かぶ行動の候補が変わります。
もちろん焼き時間や材料の分量など実際の条件も関わっています。気持ちを変えるだけで焼き上がりが変わるという話ではありません。むしろ自分への大きな評価を少し脇に置くと具体的な条件を調べやすくなります。

図は本記事独自の整理です。一つの出来事にもいつもの解釈と別の可能性を並べられます。別の可能性もこの時点では仮説です。
最初に浮かんだ解釈はそれまでの経験から自然に出てくることもあります。気づいた途端に考えを変えられなくても大丈夫。「いつもここで自分の才能の話になるな」と見つけるだけで今日は十分かもしれません。
よく使う「どうせ」「必ず」「普通は」という言葉も手がかりになります。ただしその言葉があるだけで誤りとは限りません。自分がどんな条件を当たり前にしているかを確かめる目印です。
ノートで試す四つの問い
頭の中では出来事と感想が一続きになりがちです。少し分けて眺めたいときは短いメモにしてみましょう。
次の四つは日常で考えやすいように本記事で組み立てた問いです。バシャール公式の手順や心理療法として紹介するものではありません。気軽に扱える小さな出来事を一つ選んでみてください。
1.何が起きた?
まずは自分で確かめられることを書きます。クッキーの例なら「初めてのレシピで焼いたら思ったより固かった」です。
「何をやってもうまくいかない」は出来事の記録としては範囲が広すぎます。いつのどんな場面だったかが分かるところまで小さくしてみましょう。全部の経緯を上手に説明する必要はありません。
2.それをどんな意味だと受け取った?
次に頭に浮かんだひとことを書きます。「私にはセンスがない」「初めてでも上手にできるはずだった」などです。
きれいな言葉に直さずに書いてみてください。その後で「一度で成功する人がお菓子作りに向いている人だと思っていた」と気づくこともあります。
ここで探しているのは自分の悪いところではありません。今回の出来事からどこまで結論を広げたのかです。

メモは一行ずつでも十分です。答えが浮かばない欄は空けたままにしておけます。
3.ほかに考えられることは?
今ある情報に合う別の可能性を一つ加えます。「焼き時間が長かったかもしれない」「材料の量り方を確認できるかもしれない」といった具合です。
「私は絶対に天才だ」と大きく言い換える必要はありません。今は原因を絞れないという答えも使えます。分からない部分を分からないまま残せることも大切です。
最初の解釈を否定する証拠が見つからなくてもすぐに勝ち負けを決めなくてよいでしょう。「今回だけでは向き不向きを判断できない」という保留にも余地があります。
4.小さく確かめるなら何をする?
最後は自分で試せる行動にします。「次は焼き時間を確認しながら少量だけ作る」「レシピの分量と今回のメモを見比べる」などです。
一度に全部を変えると何が違ったのか分かりにくくなります。まずは確認する点を一つに絞ってみましょう。実際に試してみて同じ結果なら別の条件を調べる材料になります。
ここでの目標は次の判断に使える情報を一つ増やすことです。
仕事で「こんなことを聞いていいのかな」と思ったら
もう一つ日常の場面を考えてみましょう。仕事の説明を読んでいて基本的な用語の意味が分からない。でも質問する手が止まってしまう。
そのとき「質問する人は能力が低いと思われる」という前提が隠れているかもしれません。以前に聞きづらい思いをしたことがあれば慎重になるのも無理はありませんね。
まず起きていることを「資料のこの用語が分からない」と書きます。そこに「相手にどう見られるかが心配」という自分の受け止めを並べます。まだ聞いていない相手の評価まで事実として扱わないのがポイントです。
別の可能性として「用語の理解をそろえたほうが作業を進めやすいかもしれない」と考えられます。ただし相手が必ず歓迎してくれるとは限りません。忙しさや職場の状況もあります。
そこで小さな行動は「資料の該当箇所を確認してから質問を一つにまとめる」にしてみます。「この言葉はこういう意味で合っていますか」と聞ける形まで整えるだけでも具体的です。
すぐに声をかけにくければ決められた質問窓口や相談できる人を確認してもよいでしょう。解釈を見直すことと環境に合わせた工夫をすることは一緒に進められます。
実際に聞いて分かった内容をメモしておけば次の仕事にも使えます。勇気があったかどうかだけで採点せず何が確認できたかを残してみてください。
思ったより気軽に教えてもらえたならその経験も記録できます。反応がそっけなかった場合は内容とタイミングを振り返ります。一度の返答だけで「やっぱり私はだめだ」と自分全体の結論に戻らなくてもよいでしょう。
前向きな答えを急がなくてもいい
信念を見直すと聞くと「嫌な気持ちは早く直さなければ」と考えたくなるかもしれません。でも固いクッキーにがっかりしたことまで消す必要はないでしょう。楽しみにしていたからこその気持ちです。
落ち込んでいる日はその気持ちを言葉にするだけで終えてもかまいません。別の見方を探すのは少し落ち着いてからでもできます。
また不都合な出来事をすべて自分の信念のせいにしないことも大切です。他人の行動や環境の問題まで自分が生み出したと決めつける根拠にはなりません。事故や被害に遭った人の考え方を責める使い方も避けましょう。
実際に困った扱いを受けているなら距離を取ることや信頼できる人に相談することも選択肢です。「よい意味を見つけられるまで我慢する」と自分に条件を増やす必要はありません。
別の解釈を考えることと起きた問題への対応は両方大切にできます。このメモだけで難しい問題を解決しようとせず必要な助けを使ってください。
今日はひとつの前提に気づくところから

信念を一日で全部入れ替えようとするとそれ自体が大仕事になってしまいます。まずは最近の小さな出来事を一つ選んでみましょう。
- 何が起きた?
- それをどんな意味だと受け取った?
- ほかに考えられることは?
- 小さく確かめるなら何をする?
バシャールの「信念と定義」を暮らしに持ち帰るなら自分が当然だと思っていた前提に気づく入口として使えそうです。そこからどんな見方を選ぶかは自分で考えてかまいません。
「一回うまくいかなかった」と「自分には向いていない」の間にはまだ確かめられることがあります。次のクッキーを少しだけ焼く。仕事の疑問を一つだけ聞く。そんな小さな一歩から新しい材料を集めてみてはいかがでしょうか。
参考にした公式資料
教えの紹介には上記の公式ページを参照しました。以下は各資料で確認した内容です。日常例と四つの問いと図は本記事独自の解説です。
- The Follow Your Excitement Formula:第5項の信念を点検する説明
- Bashar’s Basic Principles:信念と感情と行動の関係についての世界観
- The Story Tree:定義と信念と物語を結びつけた公開紹介文
アイキャッチと本文中の図解・挿絵はAI生成です。



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