エイブラハムの「フォーカス・ホイール」とは?信じられる言葉から気持ちを整える

朝の窓辺の机に置かれた、二重の円を描いたノートとペンの水彩イラスト

久しぶりに、絵を描いてみたくなった。ところが道具を出した途端、「どうせ上手には描けないし」と手が止まる。そんなふうに、やりたい気持ちの隣に、ブレーキをかける言葉が座っていることはありませんか。

そこで「絶対にうまくいく!」と言ってみても、今の自分には少しまぶしすぎる。もう少し自然に受け取れる言葉から、考えてみたいですよね。

今回のテーマは、エイブラハムの「フォーカス・ホイール」。一つの望みに目を向けながら、自分が納得できる考えを探していく実践です。紙とペンを使う小さな練習に置き換えて、その入口を見ていきましょう。

この記事はスピリチュアルな教えの紹介です。思考や波動が出来事を引き寄せるという主張を、科学的に確立された事実として扱いません。以下の三段階の手順、図解、日常の文例は、本記事独自の入門用の整理です。

フォーカス・ホイールって、どんな実践?

「フォーカス」は焦点、「ホイール」は車輪。まずは、この実践で何に注意を向けるのかを、公式動画の説明から見てみましょう。

Abraham-Hicks Publicationsの公式動画では、フォーカス・ホイールの目的として、自分がすでに信じていることで、向かいたい方向に合うものを見つけると説明されています。足りないものばかりを見る代わりに、望みとつながる、すでにわかっていることへ焦点を向けるという話です。

この実践は、エスター&ジェリー・ヒックスの著書『Ask and It Is Given』の項目にも登場します。教えの背景には、思考や感情を望む方向へ合わせるという考え方があります。公式公開の書籍第17章でも、いまの状態と向かいたい方向を知ること、感情を案内として捉えることが説明されています。

出典:Abraham-Hicks Publications公式動画(英語文字起こし1:56〜2:18)、公式公開抜粋・第17章。いずれも本記事による要約です。

ここから日常で考えるために、本記事では円形のメモを使います。中心に望みを一つ書き、周りに自分が今うなずける言葉を集めるレイアウトです。真ん中の一文で、何について考えていたのかを確かめられます。

たとえば中心に「絵を描く時間を、気楽に楽しみたい」。周囲には「色を見るのは好き」「道具はもう手元にある」と書く。大きな自信がなくても、受け取れる一文があるかもしれません。

「信じられる言葉」は、人によって違う

友人にとって励みになる言葉が、自分にもぴったり合うとは限りません。「あなたなら何でもできる」と言われて元気になる日もあれば、「何でもと言われても……」と困る日もあります。

そこで、書いた一文を読んだときに、自分がどう反応するかを見てみます。

  • 「そうだな」と自然に思えるだろうか
  • 少しでも肩の力が抜けるだろうか
  • 「そう思わなければ」と、かえって力が入っていないだろうか

「私は才能がある」は言いにくくても、「描くことに興味はある」なら、今の気持ちに合うかもしれません。まずはそのくらいの言葉からでよさそうです。

読んで苦しくなるなら、言い方を変える。今日しっくりこなければ、採用しない。ノートに残す言葉を、自分で選んでいきます。

紙とペンで試す、三つの流れ

ここからの三段階と円形メモは、公式動画の考え方を日常で試すために組み立てた、本記事オリジナルの練習です。

望みを書く、信じられる言葉、気持ちを確かめる、の三段階を左から右への矢印で示した整理図
日常で試すための整理図。三段階は本記事独自のまとめです。

1.円の中心に、望む感じを書く

紙に円を描き、真ん中に、どう過ごしたいかを一文で書きます。題材は一つ。「暮らしを全部よくしたい」より、「今夜、趣味の時間を気楽に持ちたい」のほうが、何を考えるのかがはっきりします。

すぐに望みが出なければ、「今、何が引っかかっている?」から始めてもかまいません。「下手だと思われたくない」と気づいたら、今回は「評価を気にせず、描く時間を楽しみたい」と置いてみるわけです。

2.周囲に、今うなずける言葉を置く

その望みについて、無理なく言えそうなことを一つ探します。「好きな色がある」「人に見せる予定はない」「小さな紙なら試せそう」。本人にとって本当だと思えるものだけを書きます。

思いついた順で大丈夫。一文が次の一文を思い出すきっかけになったら、そばに足してみましょう。円をきれいに埋めることは、この練習の宿題にしません。

3.読み返して、今の気持ちを確かめる

書けたところで、中心の一文に戻ります。「さっきより少し試せそう」「まだ重い」「特に変わらない」。どの感想も、そのまま記録しておきます。

ここで、描くか、準備だけにするか、今日は休むかを選ぶ。気分の変化を急いで判定せず、今できそうなことを考えるところまでにしてみます。

例1:久しぶりに絵を描きたい日のメモ

たとえば、休日に水彩道具を出した人を想像してください。前に描いてからしばらくたち、きれいな作品の写真を見るほど、自分の白い紙に向かうのが難しくなっています。

中心に置くのは「自分のペースで、描く時間を楽しみたい」。この人が今うなずける言葉を、周囲に書いていくとします。

  • 水に色が広がる様子を見るのは好き
  • 今日は誰かに提出するものではない
  • 道具の使い方は、少し覚えている
  • 一枚の中で、好きな色の組み合わせを試せる
  • 仕上げるところまで、今日の予定に入れなくてもいい
  • まず丸を一つ塗るなら、やってみてもよさそう

途中で「きっと素晴らしい作品になる」と思いついたとしても、気持ちがついてこなければ、その文は脇に置きます。空欄を埋めるために、自分を説得し続けなくてよいのです。

開いたノートの上で、絡まった思考を表す雲から小さな飛び石が明るい一歩へ続くイラスト
今うなずける言葉を、一つずつ。足場を確かめるイメージは本記事のたとえです。

この例で最後に選ぶ行動は、作品の完成より手前にあります。水をくみ、好きな青を少し溶き、紙の端に置いてみる。そのあと続けたいかどうかは、実際に手を動かしてから考えられます。

絵が上達するかどうかには、練習や学び、時間も関わります。ノートを書いたことだけで、技術や結果まで約束されるわけではありません。それでも、自分がどこでためらっていたかを眺める材料にはできます。

例2:初めての料理が、少し面倒に感じるとき

気になっていたスープを作りたい。でもレシピを開くと、材料や手順が多く見えて気が進まない。そんな場面なら、中心を「落ち着いて、一品作ってみたい」にしてみます。

「料理が得意だから大丈夫」とは思えなくても、「お湯を沸かすことはできる」「手順は一つずつ読める」「わからない用語は調べられる」なら、受け取りやすいかもしれません。

さらに「今日は作りやすいレシピを選べる」「時間が足りなければ別の日にできる」と続く人もいそうです。ただし、どれも実際の状況に合うときだけ。今夜中に用意する必要があるなら、その条件は残したまま考えます。

読み返して「材料を確認するところからなら」と思えたら、まず冷蔵庫を見る。まだ負担が大きければ、今日は慣れた献立にする。メモを書く前より立派な選択をしようとしなくても大丈夫です。

もちろん、食材の扱いや火の安全はレシピや適切な案内で確認します。気持ちが落ち着くことと、必要な確認を済ませることは、どちらも大切にしておきましょう。

言葉が出ない日は、ノートを閉じてもいい

「信じられる言葉を探そう」と言われても、一つも出てこない日があります。疲れていたり、出来事からまだ時間がたっていなかったりすると、考えること自体が負担になることもありますよね。

そんなときは「今は書けない」で止めてよい、と本記事では考えます。お茶を飲む、席を離れる、休む。練習を続けるかどうかも、自分で選べます。

緑が見える窓辺のテーブルに、お茶と閉じた青緑色のノートを置いた静かな部屋
書けないときは、ひと休み。空欄を残したまま閉じてもかまいません。

毎日続けること、明るい言葉を増やすこと、気分を変えることまで義務にすると、ノートが重くなってしまいます。「今日はこの一文が言いやすかった」と気づけたら、そこまででもよさそうです。

また、不当な扱いや危険に対して、自分の考え方だけを直そうとする必要はありません。距離を取る、相談する、具体的な対応を求めることも選べます。病気や災害、被害を「本人の波動のせい」と決めつける根拠として、この教えを使わないでおきましょう。

まとめ:今日の自分が、うなずける一文から

フォーカス・ホイールを暮らしのヒントとして眺めるなら、一つの望みについて、自分が納得できる考えを探してみる。その姿勢を、まず持ち帰ってみてください。

この記事の入門練習は、望みを書く、信じられる言葉を周囲に置く、気持ちを確かめる、という三つの流れです。円の大きさや文章の上手さより、その言葉を自分がどう受け取るかを見てみます。

「まず一つなら試せそう」「今は準備だけにしておこう」。そんな控えめな一文が、今日の自分には合うこともあります。紙の真ん中に小さな望みを置いて、言いやすい言葉を一つだけ探してみませんか。

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公式動画の公開された英語文字起こし、公式サイトの書籍紹介・第17章抜粋、Google Booksの目次を確認しました。三段階、円形メモの配置、文例は本記事独自の整理で、原典の全手順を再現するものではありません。

望みを言葉にするところから読みたい方は、ピボッティングの記事へ。場面ごとの過ごし方を考えたい方には、セグメント・インテンディングの記事もあります。

アイキャッチと本文中の図解・挿絵はAI生成です。

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