静かに本を読むつもりで入ったカフェが、思ったよりにぎやかだった。家に帰れば、片づけものが目に入る。「今日は、なんだか落ち着かないな」と感じる日があります。
そんなとき、「もっと前向きに」と言われても、気持ちは簡単に切り替わりませんよね。まずは、嫌だと感じている自分を、そのまま認めてみる。そこから「本当は、どうだったらうれしい?」と聞いてみることはできそうです。
今回紹介するのは、エイブラハムの「ピボッティング(Pivoting)」という考え方。望ましくないことに気づいたところから、望む方向へ注意を向け直す、という入口で読んでいきます。
この記事はスピリチュアルな教えの紹介です。引き寄せや波動についての主張を、科学的に確立された事実として扱いません。以下の手順、たとえ、生活上の工夫は、本記事独自の整理です。
エイブラハムの教えと、ピボッティングの位置づけ
公式サイトでは、エイブラハムは、エスター・ヒックスを通して教えを伝える非物質的な集合意識として紹介されています。これは発信者側の説明であり、その存在や情報の由来を本記事が確認したという意味ではありません。
公式の「Pivoting & Positive Aspects」の紹介では、ピボッティングなどのプロセスを、自分にとって何が大切なのかを見つける助けとして説明しています。
また、『Ask and It Is Given』の公式公開抜粋には、望むものと望まないものの違いを経験することで、自分の好みが生まれる、という考え方が示されています。そのうえで、望む方向へ穏やかに思考を向けることが語られています。
この二つを手がかりに、ここでは「嫌だったことを入口に、自分が望む状態を探す」と捉えてみましょう。
出典:Abraham-Hicks公式「About Abraham-Hicks」、Abraham-Hicks公式「#12 Pivoting & Positive Aspects」、Abraham-Hicks公式「Book Excerpt: Ask and It is Given Chapter 16」
「嫌だ」の裏側には、どんな希望がある?
たとえば、部屋の照明がまぶしくて落ち着かないとします。「この明るさは苦手」と気づいたら、「もう少しやわらかな光で過ごしたい」という好みが見えてきます。
照明がまぶしいという事実を、無理に褒める必要はありません。気づいた好みをもとに、明るさを調整したり、座る場所を変えたりできます。
人とのやりとりでも、似た問いが使えそうです。
「話を途中で遮られるのが嫌だった」なら、「最後まで聞いてもらえる会話がしたい」。
「予定が直前に変わって困った」なら、「準備できる時間と、見通しがほしい」。
ただ反対の言葉を探すより、「自分は何を大切にしていたのかな」と、一段奥を見てみる感じです。落ち着き、余裕、対等さ、わかりやすさ。自分にしっくりくる言葉が一つあれば、十分です。
日常で試す、三つの小さなステップ
ここからは、教えを暮らしの中で考えるための、本記事オリジナルの練習です。公式の手順をそのまま再現したものではありません。

1.起きたことと、感じたことを短く書く
「カフェがにぎやかで、本に集中できない。少し疲れてきた」くらいの、短いメモから始めます。
ここで結論を急がず、「落ち着かないんだな」と確かめてみましょう。「こんなことで気にする自分はだめだ」という採点まで、追加しなくて大丈夫です。
2.「本当は、どうしたい?」と聞く
次に、ほしい状態を書きます。先ほどの例なら、「静かな場所で、読みかけの本をゆっくり楽しみたい」などです。
「周りの人に静かにしてほしい」と浮かんだら、その奥にある希望も探してみます。「一人で考える時間がほしい」のか、「刺激の少ない場所で休みたい」のか。似た場面でも、答えは人によって違います。
3.自分に選べる一歩を探す
望みが少し見えたら、現実の行動に置き換えてみます。
空いている静かな席に移れるか、お店の人に聞く。今は飲み物を楽しんで、本は家に帰ってから開く。別の日に、落ち着いた時間帯を選んで来てみる。
気持ちを整理しただけで、周囲の様子や結果まで決まるわけではありません。自分に選べる範囲を見つけるところまでを、今日の練習にしてみましょう。
例1:家事が偏って、もやもやするとき
夕食の片づけをしながら、「また自分ばかり」と感じたとします。
このとき、すぐに「家族がいるだけ幸せ」と言い換えると、負担の話が置き去りになることがあります。まずは、疲れたことや不公平に感じたことを認めてよいのです。
そのうえで、「本当はどうだったら助かる?」と聞いてみる。
「家事の量を分けたい」「食後に少し座る時間がほしい」「頼まなくても気づいてほしい」。出てきた希望を、もう少し具体的にします。
たとえば、「夕食後の食器洗いを、曜日で分担できないかな」と相談する。あるいは、今夜は負担の少ない食事にする。
相手が必ず賛成するとは限りません。それでも、「嫌だ」の中にあった希望を言葉にすると、何を相談したいのかは見えやすくなります。話し合いの結果を見て、分け方を変える余地も残しておきましょう。
例2:仕事の修正依頼で、ぐったりするとき
仕上げた資料に、あとから大きな修正が入る。そんな日には、「最初に言ってくれたら」と思いますよね。
その気持ちから探せる望みは、「もっと褒められたい」だけとは限りません。「何を優先すればよいか知りたい」「途中で方向を確認したい」「作業時間を確保したい」ということもありそうです。
そこで、次の作業の前に、目的、読み手、必須項目を確認する。途中版を見てもらう時点を相談する。締め切りとの両立が難しければ、優先する修正を尋ねる。

ピボッティングを日常に置き換えるなら、こんなふうに、気づいた希望を次の相談の材料にできます。
ただし、無理な要求や不適切な扱いが続く場合、気持ちの持ち方だけで引き受け続ける必要はありません。記録を残す、担当者に相談する、距離を取るといった対応も大切です。
例3:楽しみにしていた休日が、雨になったら
外で過ごすつもりだったのに、朝から雨。「せっかくの休みなのに」とがっかりすることもあります。
ここで、「晴れがよかった」の先を少しだけ考えます。外に出たかった理由は、体を動かしたかったから? 緑を見たかったから? いつもの場所を離れたかったから?
体を動かしたいなら、家で軽く伸びをする。景色を変えたいなら、無理なく行ける屋内の場所を探す。疲れていると気づいたら、今日はゆっくりして、散歩は別の日にしてもよさそうです。
最初の計画と同じ満足が得られるとは限りません。それでも、望みの中身がわかると、天気以外の部分で選べることが見つかるかもしれません。

うまく切り替えられない日も、あります
「本当はどうしたい?」と聞かれても、何も浮かばない日があります。疲れているときに、自分の気持ちを掘り下げるのは、案外大仕事です。
そんな日は、「今は休みたい」だけでもよいでしょう。すぐに言葉にせず、あとで考えることも選べます。気分が変わらなくても、そのことで自分を責める必要はありません。
また、望みがわかったあとも、怒りや悲しみが残ることがあります。「落ち着いて話したい。でも、まだ腹が立っている」。この二つが、同時にあってもかまいません。
切り替えの速さを競わず、自分の負担が増えていないか、ときどき確かめてみてください。
自分や誰かを責める道具にしない
エイブラハムの教えには、思考や波動が経験を引き寄せるという世界観があります。(公式公開抜粋)
ただし、それを理由に、病気、災害、被害、不当な扱いを「本人の考え方が招いた」と断定することはできません。
本記事では、ピボッティングを自分の希望を整理するための問いとして紹介しています。困難の原因を説明したり、誰かの責任を判定したりするためには使いません。
危険や深刻な困りごとがあるときは、安全の確保や必要な支援を優先してください。つらい状況から離れること、助けを求めることも、自分が望む暮らしへ向けた選択です。
気持ちを整える練習と、問題への具体的な対応は、一緒に進めてよいのです。
まとめ:「本当は、どうだったら助かる?」から
ピボッティングを日常で試す入口は、嫌だった出来事をきっかけに、自分が大切にしたいことを確かめること。
紙やスマホに、次の三行を書いてみてもよさそうです。
- いま嫌だったこと、感じていること
- 本当は、どうだったら助かるか
- 自分に選べる、小さな一歩
立派な願いでなくても大丈夫。「五分休みたい」「予定を早めに知りたい」「最後まで話を聞いてほしい」。そんな身近な希望も、暮らしを考える手がかりになります。
今日、少し引っかかったことがあったら、「本当は、どうだったら助かる?」と聞いてみる。答えを急がず、その一言から始めてみませんか。
参考にした公式資料
公式サイトの公開紹介文と書籍抜粋を確認しました。音声教材の録音本編は参照していません。日常例・図解・三段階の練習は本記事独自の整理です。
参照日:2026年10月9日。
アイキャッチと本文中の図解・挿絵はAI生成です。


コメントを残す